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SCEの社長兼CEOのアンドリュー・ハウス氏が、日経テクロノジーのインタビューにおいて、PSVRの販売戦略などについていろいろと興味深い話を語っています。

SCE社長が語るVR事業の可能性 - ウエアラブル - 日経テクノロジーオンライン
 
PSVR単体で利益が出る価格設定
PS VR単体でも利益が出るので、短期から収益に貢献する。加えて、対応ゲームソフトなど、エコシステム全体でも利益が出る健全なビジネスモデルだ。

当初はPS4ユーザー、将来的にはカジュアル層を含めた幅広い層がターゲット
最初の購入者は、プレイステーションの熱心なファンだと思っている。将来的には、よりカジュアルなユーザー(ゲーム初心者)にも広がるだろう。PS VRのゲームの中には、コントローラーをあまり使わなくても楽しめるものがある。こうしたものはゲーム初心者向けだ。幅広いユーザーに訴求できると考えている。

日本のVRクリエイターの熱による日本の据置機市場の活性化を期待
PS VRの発売当初は、PS4の出荷台数が多い欧米を中心に売れるだろう。日本は据置型ゲーム機が欧米ほどではないが、日本のVRクリエーターは大いに盛り上がっている。そういう意味では、日本での据置型ゲーム機ビジネスを活性化するものと期待している

OculusやHTCは同志だが、価格/PS4のインストールベースPSNがVSVRの強み
米Oculus VR社や台湾HTC社などがVR用HMDを出しているが、競合というよりは、VRという新市場を立ち上げる上で重要(な“同志”)だ考えている。ただし他のVR用HMDに比べてPS VRは優位な点があると考えている。例えば、他のVR用HMDは映像処理性能を高めた高価なパソコンが必要だが、PS4はそれよりも安い(349米ドル)。しかも、PS4は既に3600万台以上売れている分、有利だと考えている。加えて、多数のアクティブユーザーを抱えるネットワークサービスであるPSNを持っていることも強みだ。

幅広いユーザーに実機を体験してもらうことが重要

販促においては、なるべく幅広いユーザーに体験できるような場を設けることが必要だ。店頭やイベントなどで実機を置く。加えて、ソーシャルメディアを通じて、体験者の口コミを作っていきたいと考えている。

小規模な開発者にチャンス
これまで我々はPSNを通じてデジタル配信の基盤を整えてきた。(価格などを)フレキシブルに配信できるのがデジタル配信のメリットだ。小規模な開発者でも、コンソールゲームよりも低リスクに参入できる。
(中略)
VRゲームはこれまでのゲームとは作り方が異なる。それだけに、幅広い開発者を呼び込めると思う。しかも、低コストでもヒットする面白いゲームを作れる可能性が高い。

開発者が興味を示さなかった3D立体視とは異なり一過性のブームにはならない

ここ最近のVRブームは本物だと考えている。何より、ゲーム開発者自身がVRに面白さを感じている。開発者側からVR用のいいハードウエアがほしいというリクエストがあり、そういう意味では、健全な状況にあると思う。

ゲーム以外のVRコンテンツも視野
「シネマティックモード」やメディアプレーヤー機能を搭載し、ゲームだけでなく、映像や音楽などの他のコンテンツも楽しめるようにしている。ユーザーが撮影した360度映像も視聴できる。ソニーグループ全体でいえば、コンテンツの作り手である、映像や音楽を制作しているグループ会社と密にコミュニケーションしている。VR向けの映像や音楽コンテンツを作るには、ツールが重要だ。そこで、例えばソニーの映像制作機器の部門ともいろいろと話し合っている。

日本は欧米に比べると相対的にPS4の普及台数が少ないのですが、バンナムの原田氏がVRの伝道師と化していたり、ミクやSAOなどのVRとの相性が良さそうなコンテンツも持っているため、日本市場においてPSVRがPS4本体を牽引するといったことも期待できそうです。

シネマティックモードは日本での反響が特に大きいという話も聞こえてきていますので、既存の映画や、DMMアプリなどで配信されているアダルト系のコンテンツを大画面で楽しむためにPS4ごと購入するといったこともありそうです。