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任天堂の君島社長が、決算発表会の質疑応答の場で経営リソースの家庭機→スマホへのシフトを熱く語り、スマホへの本気度をアピールしていました。

2016年4月28日(木) 2016年3月期 決算説明会 - 質疑応答
Q4.
御社のスマートデバイス向けゲームに対する取り組みの本気度を再確認したい。今後、この事業に対して経営資源をどの程度シフトしていく方針なのか。社内にも非常に優秀な、世界的にも超一流のクリエイターがいるわけで、スマートデバイス向けゲームでももちろんヒット作が出せると見ている。そういった意味で、神様的存在の宮本さんにぜひ、スマートデバイス向けゲームに挑戦してもらい、「これこそ任天堂のスマートデバイス向けゲームだ」というものをつくってもらうというのがベストストーリーだと思うが、君島社長としてはどう考えているか。

A4.
君島: 
「本気度が伝わらない」ということに対しては、当社からの情報発信が、まだ正確には伝わっていないという意味で、私自身が反省しないといけないと思います。これまで繰り返し申し上げていますように、これからの任天堂の収益の大きな柱の1つとして育てていきたいと考えています。経営のリソースをそちらにシフトするということについては、すでにご存知のように、大変強力な開発者がスマートデバイス向けゲームの開発に取り組んでいます。もちろん、クリエイティブフェローの宮本も全社的な観点からこのスマートデバイス向けビジネスをサポートしています。宮本がどの程度関与しているのかといいますと、全面的に「こうしたほうがよい」というようなことを、スマートデバイス向けゲームの開発者に具体的に話をしているところです。そういう意味では、外から見えるのと中から見えるのではかなり違う気がします。繰り返しになりますが、ビジネスの柱の1つにしていきたいと考えており、本気度は全然変わっていませんので、それはご理解いただければと思います。

コナミがスポーツジムとスマホに注力しているように、今後は任天堂はこれまで家庭機向けに使っていた経営資源を、健康器具とスマホに注ぎ込んでいくということのようですね。

スマホ事業においては宮本フェローが全面的に監修しているとのことですが、その宮本フェローが20年ぶりにディレクションを行った『スターフォックスゼロ』は初週2.5万本と冴えない結果に終わったことを考えると、嫌な予感しかしません

いまさら故人の発言を引用するのもアレですが、任天堂のスマホシフトがうまくいくかどうかについては、岩田前社長の2年前のありがたい言葉を貼っておきたいと思います。

2014年1月30日(木) 経営方針説明会/第3四半期決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡

多くのみなさんが「スマートデバイスのアプリとして任天堂のゲームソフトを移植すれば、ビジネスが拡大するはずだ」とおっしゃっているのですが、ハード・ソフト一体型のビジネスという任天堂の強みを活かせない場では、任天堂の目標とする規模のビジネスを中長期にわたって持続させることは困難ではないかと、私達は認識しています。
(中略)
 今、大激戦のモバイル分野や、これから大激戦になることが予想されるウェアラブルの分野に後から任天堂が乗り込んでいって、力の勝負をするというのは、任天堂のやり方ではありません。