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フェローに退いた宮本氏の後を引き継いで、任天堂のソフト部門の責任者となった高橋氏が、NXの狙いについて語っていました。

──IPを通して任天堂の遊びを知った顧客を、ゲーム専用機で、いわば全部“回収”するというのが狙いだとすれば、来年3月に発売される新型ゲーム機「NX」がその役割を果たすわけですね。

高橋氏 そうです。任天堂のIPに触れた方々が、任天堂の遊びをより楽しみたいと思って「NX」を買えるように、また幅広い年齢層の方々やさまざまな地域の方々に喜んでもらえるように、そこはかなり意識して「NX」を作っています。

Wiiによって1億人が任天堂のゲームに触れた結果、Wii Uは累計1300万台程度でその生涯を終えることとなりました。互換性を持った直接的な後継機ですらこの有様であることを考えると、スマホからゲーム専用機へのユーザー移行は至難の業のように思えます。

4000万DLを誇るパズドラの3DS版『パスドラクロス』の初週販売本数はわずか8.8万本に終わり、ポケモンGOがブームとなった時期でさえWii Uや3DSの販売はピクリとも上向くことはなかったという事実も、スマホとゲーム専用機間の壁を感じさせます。

──家庭用ゲーム機「Wii」を開発するときは、居間のテレビの横に置いてもらうために「お母さんに嫌がられないゲーム機」というのが方針の1つだったと聞きました。「NX」の場合、このような方針はありますか。

高橋氏 詳細はまだ話せないのですが、「ゲーム好きな方にも、お母さんにも、嫌がられない」を目指しています。ゲームの経験値の高いお客様にも、ゲームであまり遊んだことのないお客様にも、ともに楽しんでもらえるゲーム機を世に出したいと考えています。

テレビを占有しないことで家族の邪魔にならないというのがWii Uのメインコンセプトでした。低スペックハードにギミックを付けて付加価値を上げようとするという部分も含めて、NXはWii Uを引き継ぐものになりそうです。