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スプラトゥーン2はプレイに支障を来たすレベルでのネットワーク遅延が発生しており、ユーザーの不満が爆発しているようです。

『スプラトゥーン2』海外コミュニティで高まるネットワーク環境への不安、「Tick Rate」が投げかけた疑問 | AUTOMATON

問題その1:秒間16回(4フレームに1回)という低すぎる更新レート
スプラトゥーン2』のネットワーク問題だ。redditのr/nintendoswitchのスレッドには数多くのネットワークへの不満が寄せられており、そのなかのひとつにTick Rate問題がある。Tick Rateとはサーバーの更新頻度を指す用語のひとつ。更新頻度が高ければサーバーには負担がかかるものの、描画回数が多くなりゲーム内の動きが正確に反映される。
(中略)
スプラトゥーン2』のCUF値は16Hzで、前作『スプラトゥーン』のCUFの値である25Hzよりも36%低い数値を記録している。氏のデータでは『Battlefield 1』が60Hz、『Overwatch』が63HzのCUF値を記録しているので、そうしたタイトルの1/3以下の数字ということになる。
問題その2:クライアント全台が互いに同期する時代遅れのP2P方式を採用
くわえて『スプラトゥーン2』のネットワークにはPeer to Peer(以下、P2P)が採用されている。P2Pは特定のサーバーを設置せずプレイヤー同士をつなぐ形式だ。これに対して、設置したサーバーにユーザーたちが接続する方式はC/S(クライアント・サーバーモデル)と呼ぶ。どちらもメリット・デメリットが存在するが、『Overwatch』『Call of Duty: Advanced Warfare』を筆頭に人気対戦ゲームはC/S方式を採用している。少し前まではP2Pモデルを採用するタイトルは多かったが、近年では個々のクライアントやネットワーク状態に依存するP2Pよりも、サーバー費用がかかるものの安定性があるC/Sが望ましいとされている。Brammer氏はTick Rate値の低さとP2Pという通信方式を懸念しており、『スプラトゥーン2』をe-Sports向けのタイトルとして展開するならば、この体制を見直すべきであると提言している。

スプラトゥーン2のオンライン環境は前作より悪化している  AN IN-DEPTH LOOK AT ONLINE MULTIPLAYER IN SPLATOON 2 日本語要約 - YONの土鳩ブログ

平均遅延時間は137ms(約8.2フレーム)
・解析により判明した調査者のping(74ms)に、更新間隔を加えることで、実際の遅延を概算できる
スプラトゥーン1の平均実遅延時間は113ms、スプラトゥーン2の平均実遅延時間は137msとなり、24ms悪化していた
専用サーバー導入時の遅延時間は57ms(約3.4フレーム)

・ゲームで使用した回線を用いて、ロンドンのAWSと接続して平均pingを計算したところ40msとなった。これを任天堂が専用サーバーを導入した場合のpingと仮定する
(補足:調査者のpingは74ms)
・専用サーバーの導入により、アップデートレートが16Hzから60Hz(BF1と同じ)に改善されたとする
・このとき、スプラトゥーン2の専用サーバー導入後実遅延時間は57msと予想され、現状に比べ45%の高速化が見込まれる 

更新レートが秒間16回であるため、プレイヤーは常に3フレーム前の敵の姿しか認識できないことになります。また、専用サーバーを設置せず8台のスイッチが互いに同期するP2P方式を採用しているため大きな遅延は避けられず、一台でも劣悪な通信環境のユーザーがいればさらに遅延は悪化します。

試算によれば世界各地に専用サーバーを設置すれば遅延は現在の平均8.2フレームから3.4フレームにまで改善することができるようですが、「任天堂らしい利益」にこだわる任天堂にユーザー体験向上のための投資を求めるのは無理な相談かもしれません。